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2005.05.08

稲本雅之さんの感想

もうひとつ、掲示板に書いて頂いた感想です。
稲本さんは、城戸賞受賞経験のある脚本家サンであり、小学館新人コミック大賞受賞経験のある漫画家サンでもあります。
私も脚本家なんですけど…はるか昔に欽ドン賞ぐらいしか取ったことがありません。(^^;
ちなみに、レインボーおやじというのは私のパソコン通信時代に使っていたハンドルネームです。m(__)m

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ご無沙汰いたしました。稲本です。(^^)
(過日、レインボーおやじさんのブログに、拙著「境界に生きた心子」のご紹介をしていただいた者です。レインボーおやじさんとは、以前ニフティのパソコン通信でご一緒させていただきました。)

ずっとごたごたしていて、すっかり遅くなってしまい大変申し訳ありませんでした。
やっと「ぼくはうみがみたくなりました」を読ませていただくことができました。

レインボーおやじさんらしい柔らかい気持ちが全編を包み、とても暖かい心持ちになれました。
僕にはなかなか書けない空気です。
ロードムービー風な縦糸、三崎から城ヶ先辺りの風景もムードを盛り立てています。
(父母のお墓が三崎なので、付近の情景は目に浮かびます。)

淳一のモノローグは良いアイデアで、自閉症の人の内心が分かるようですね。
無垢な口ぶりが好ましい印象を与えてくれます。
この内心の言葉のお陰で淳一に感情移入ができ、“変わった存在”の少年を第3者から見るという構造を免れているのではないでしょうか。

好きだった人の死をきっかけに看護師になろうと思った(それも重大な志からではなく)、明日美の視線で描いたのは秀逸な構成だと思います。
普通の人が自閉症を理解していく経緯が現れて、共感できるし分かりやすいものだと感じました。

レインボーおやじさんのお子さんは淳一よりも重症だそうで、実際にはもっと大変なことが沢山あったのだろう思います。
日頃の文章などからもそういうことを表には感じさせないのが、レインボーおやじさんの人柄なのだろうと思います。
僕などはどうしても深刻に描いてしまう性癖があって、それが読者に抵抗を感じさせることもあるのかも知れないのですが。

勝手な思いですが、自閉症の人や家族の苦労,周囲の人の無理解によるトラブルの実態などを、もっと知りたいと思ったりしてしまうのですけれども、いかがなものでしょうか?
旅館で若いお父さんが食ってかかるシーンがありますが、現実にはあのようなことが一杯あるのではないかと思います。
でもそういうことをも、もしかしたら苦労とは思われないのがレインボーおやじさんなのかも知れません。
(違ったら大変申し訳ありません。)
やはり重くなりがちな作品にはされたくなかったのでしょうか。

淳一が園長たちをボートの所へ連れて行き、渡し舟に乗せるエピソードでは、一般人には知られない自閉症の人の優しさや純粋な気持ちなどが、感動と共に伝わりクライマックスに向かってきます。
ただ、自閉症の人は新しいでき事に対応するのが苦手なのだと僕は思っていたのですが、このようなことも実際にありうるのでしょうか。
淳一にとっては道も知らない土地,ボートがあるかどうかも分からない(と読者としては思えました)所で、今までにしたことのない行動を取れるのかということが分からなかったので、教えていただけたら幸いです。

「ぼくうみ」が次に繋がっていくことを切にお祈りしています。
拙著「境界に生きた心子」も小さな本で、多くの人の目に触れるのは難しいですが、マンガの原作として企画を考えたいと思っています。
(絵は今は自分では描きません。(^^;))

拙著の紹介ページのURLをご案内させていただきました。
境界性人格障害という心の障害を持った女性と過ごした日々のノンフィクションです。
どうか皆さんも是非ご覧になってみてください。
どうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m

http://www.creatorsworld.net/shinko/flash/

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コメント

>  淳一が園長たちをボートの所へ連れて行き、渡し舟に乗せるエピソードでは、
> 一般人には知られない自閉症の人の優しさや純粋な気持ちなどが、感動と共に
> 伝わりクライマックスに向かってきます。
>  ただ、自閉症の人は新しいでき事に対応するのが苦手なのだと僕は思ってい
> たのですが、このようなことも実際にありうるのでしょうか。
>  淳一にとっては道も知らない土地,ボートがあるかどうかも分からない(と
> 読者としては思えました)所で、今までにしたことのない行動を取れるのかと
> いうことが分からなかったので、教えていただけたら幸いです。

どうでしょう? あると嬉しいな、とは思います。
ただ、あり得ないとは言えないと思います。もしかしたらあるんじゃないかなあ、
あってもおかしくないよなあ、というレベルで書いたつもりです。
自閉症は一人一人が全然違うので、もっといろんなことが出来る人もいれば、こ
んなレベルでの他人への思いやりなんて無理っていう人もいます。
ちなみに、ウチの息子には到底無理です。(^^;
だけど、ウチの息子は、彼よりもっと新しい出来事への対応に関してだけは得意
かも知れない。かえって二度目以降の方がこだわりが強くなるので……。
ほんと、自閉症ってだけでは、なんとも言えない部分があります。
私は、百人単位の自閉の人とつきあってきているので、その人たちの美味しい部
分をかい摘んで小説にまとめちゃってる部分、あります。(^^;

ボートは、知らない土地だけど、最初老夫婦を降ろすときに通った場所なので、
ボートがあることを記憶していた、という設定にしたつもりでいます。

投稿: 虹父 | 2005.05.09 20:56

 コメントどうもありがとうございました。

>自閉症は一人一人が全然違うので、もっといろんなことが出来る人もいれば、
>こんなレベルでの他人への思いやりなんて無理っていう人もいます。

>ウチの息子は、彼よりもっと新しい出来事への対応に関してだけは得意
>かも知れない。
>ほんと、自閉症ってだけでは、なんとも言えない部分があります。

 そうなんですか。
 とても勉強になります。
 自閉症は百人いれば百人違うということは読みましたが、具体的なことは分かりませんでした。
 一般にももっと理解を広めるようなものを書いていただきたいですね。(^^)


 でも拙著に描いた境界性人格障害は、その名前さえまだなかなか知られていません。
 そして本当に理解することが難しいものです。
 僕も何とか人々に伝えられるよう頑張っていきたいと思います。

 それではまたよろしくお願いいたします。m(_ _)m

投稿: 稲本 雅之 | 2005.05.10 14:12

こんにちわ。(^^)
 「ぼくはうみがみたくなりました」のことを、拙著のページの「日記」のコーナーに書かせていただきました。
http://www.creatorsworld.net/shinko/index.html

 5月10日の日記です。
 良かったらご覧になってみてください。

投稿: 稲本 雅之 | 2005.05.11 00:08

>>稲本 雅之 さん
しっかり覗きに行かせて頂きましたです。(^^;

投稿: 虹父 | 2005.05.11 18:39

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