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2006.06.30

一番辛いこと

人間って、いろんな辛いことがあると思う。
私も、いろんな辛いことがあった。でも、楽天的に生きてきた私の場合、辛いことがあったような気はするのだけど、実はほとんど覚えていなかったりする。

私の場合、45年生きてきて、一番辛いことは、ヒロキの死だ。
しかも、一番辛いことが終わることなく、ずっと続くという現実……。
その現実に押しつぶされそうになる。

子どもが自閉だから辛いっていう親たちに、私はたくさんアドバイスしてきた。
だって、実際辛いものだから。
でも、希望がある。だから辛いけど頑張れるはず。
頑張れない親は、子どもが可愛いのではなく、自分が可愛い親に過ぎない。
自閉の子を持った自分が可哀相で仕方ないだけ。
頑張った分だけ返ってくるから。先行奉仕だと思えばなんでも出来る。
自分の人生なんか、子どもが生まれるまで楽しんだんだから、もういいじゃん。
自分の人生ないか、子どもにあげちゃえば、辛くなんかなくなるから。
そんな感じのこと、何回も繰り返して言ってきた。

今は、言えない。
子どもが自閉だったことぐらい、私のなかでは、もはや辛いレベルに入らない。
その程度のことで悩んでいて生きていけるかよ、みたいな言い方になってしまう。
それを口にすると、冷たい奴だと思われてしまう。
だから、なにも言わない。

亡くなった人間は、生きている人の心の中でしか生きることができない。
私もそう思う。
魂とか、もしあったとしても、生きている人間の現実の世界とは直接関係がない。
少なくとも、霊感のかけらさえない私とは接点がない。

私はまだ、これからも頑張って生きていくための理由が見つからない……。

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2006.06.29

タイヨウのうた

タイヨウのうた、やっと観てきました。
試写会当日に40度の熱を出して行けず、結局今頃になってしまいました。(^^;
ぼくうみを映画化したいと、ずっと思っているだけだった私を、その気にさせてくれた張本人(?)である椎名KAY太さんが音楽を担当してる作品です。
映画を観るときはいつしか客の立場という感じになっていたのですが、久しぶりに製作サイドの視点で映画を観てしまいました。
平日の真っ昼間なのに、結構お客さんが入っていました。女の子客が多かったです。

シンガーソングライター志望の主人公の女の子はが色素性乾皮症(XP:Xeroderma Pigmentosum)という設定。光線過敏症の常染色体劣性遺伝性皮膚疾患なのだそうです。進行性で致死型の病気あることまでは知りませんでした。
治らないってことは、病気でなくて障害なのでは? なんて思ってしまうのは障害児の親だから? (あ、いや、元障害児の親だった…)

そんな彼女とサーフィン好きの高校生との切ないラブストーリー……。
原作は? と思って探しましたが、これといったものもなく、ということはこれは脚本家のオリジナル話ってこと??? こじんまりとまとまってたけど、いいお話でした。
ちょっと前に「初恋」(三億円事件をモチーフにしたとかの作品)というのを観て、試写会であるにもかかわらず頭をかかえてしまったばかりなので、こういうふうにきっちりお話を組んで貰えてるとホッとします。

主人公役を演じたYUIって女の子の歌が、特に歌ってるときがやたら魅力的でした。
って、今思いっきり売れている新人ソンガーとのこと。そういうのを全然知らない私はやっぱオヤジのようで……。(^^;

褒めることも出来るし、突っ込むことも出来る作品です。
具体的な内容についてには触れません。だって評論家じゃないもん。> 自分 (^^;
興味持たれた方は映画館へどーぞ。
観に行って損するような映画じゃないで、ご安心あれ。(^o^)v

BGM音楽をわざわざ意識しながら映画観るなんての、初めての経験でした。
いやあ、カッコいいなあ、と思いました。
一緒に呑んでるときはただのオヤジなのに……。(^o^)

うーむ、この作品規模でも製作費が1億円とは……。(; ;)

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2006.06.25

町田おやじの会

昨晩、町田おやじの会の飲み会がありました。
なんだかんだで人数が増えて、20人ぐらいいたような……。
初めて参加されるおやじサン達も何人かいまして……。

年齢が私と1歳しか違わないのに、2歳半の子のおやじだという方もいまして……。
自閉症と診断されて気持ちの整理がつかない、と目を潤ませて語ってくれまして……。
なんとなく私は、自己紹介もしないままで聞かせて貰ってました。
なんていうか、私にはそのおやじがとても羨ましくて……。
自閉症児の子育てはしんどいけど健常児の子育てなんかとは比較出来ないぐらいにいろんな楽しいことあるから、ぐらいのことしか私には言えず……。

最後は別の初参加のおやじと二人、明け方まで飲んでいました。
なんだか、ほとんど私がヒロキの話を喋ってたような……。

帰ろうとしたら、置いといたとこから自転車が消えてました。
スーパーで7980円で買った自転車だし、まあ仕方ないか、とフラフラ歩いて帰ってきて、寝て、起きたばかりです。(^^;

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2006.06.23

先行奉仕

先行投資という言葉があります。
後になっての儲けを期待して、前もって資金を投入しておく……。
この言葉を都合よく引用して、私はよく先行奉仕という造語を福祉に関わりはじめた当初から使っていました。
「私があれこれ頑張っているのは、先行投資ならぬ先行奉仕。“福祉の向上”とかそんな聖人君子的な気持ちからでは全然なく、後になってから何倍にもしてヒロキに返して欲しいから…」
臆面もなく、そう言うようにしてきました。
ある意味、他人にエゴと言われないための防御策でもありました。

でも実際、それが本音でした。
そして、先行奉仕は間違っている行為ではありませんでした。

自分の子のためにしか動かない障害児の親が多いなか、私は直接的にヒロキのためには何もしませんでした。他の障害者や障害児のためにばかり動いていました。
嫁サンには「自分の子を見ないで主客転倒してる」とよく怒られたもんです。
だけど、快感でした。私が動けば動くほど、環境がいい方向に向かってくれて、結果的にヒロキの暮らしやすい環境が自然と向こう側からやってきてくれたのです。
幼稚園も小学校も中学校も、そしてつくしんぼも……。
重度だったけど、ヒロキほど快適な環境のなかで成長できた自閉症児って、そんなにいなんじゃないかな、って思うほどに恵まれてました。
だからこれからも、体力落ちてはきてるけど、私は私なりにまだまだ頑張るつもりでいました。
それが間違いなく、ヒロキに還元されるという確信を持てていたからです。

でも、ヒロキがいなくなった今、どうにも頑張れない自分がここにいます。
先行奉仕しても、還元して貰う存在がいないから……。

それでも、私はつくしんぼを続けています。
なんで生きてるんだろう。> じぶん
そう思いながら、やめるわけにもいかず、続けています。

映画も、ヒロキのためにつくる気でいました。
ぼくうみの映画化が絶対にヒロキになにかのかたちで還元されると思ったから……。

でも、ヒロキはもういません。
だとしたら、私はなんで映画をつくるんだろう。
私は、自分のためになにかをする奴じゃないです。たぶん。
だとしたら、なんで???

自問自答を続けながら、それでも少しずつ脚本を書き進めている今日この頃です。

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2006.06.22

生かされている感じ

なんていうか、生きている感覚がない。生かされているだけ、という感じ。
供養になるとか言われると辛いし、時が解決してくれるとか言われるのも辛い。忘れたくないものを忘れなきゃならないような感じがして。。。

目標なんかいらなかった。ずっと一緒にいるだけでいい。それだけでよかった。
今は、何か目標をつくらないとやってられない。
映画製作もそうだし、ダイエットもそう。
身長が同じだったヒロキの服が着れるぐらいになりたいのだが……。
もともと体重差が20kg近くもあったので、上着はなんとかなっても、ズボンはさすがに無理かも。

なんで生きてるんだろう。> じぶん

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2006.06.21

民法より

第七百十二条
 未成年者か他人に損害を加へたる場合に於て其行為の責任を弁識するに足るへき知能を具へさりしときは其行為に付き賠償の責に任せす

第七百十三条
 精神上の障害に因り自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態に在る間に他人に損害を加へたる者は賠償の責に任せす但故意又は過失に因りて一時其状態を招きたるときは此限に在らす

第七百十四条
 前二条の規定に依り無能力者に責任なき場合に於て之を監督すへき法定の義務ある者は其無能力者か第三者に加へたる損害を賠償する責に任す但監督義務者か其義務を怠らさりしときは此限に在らす
 監督義務者に代はりて無能力者を監督する者も亦前項の責に任す

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2006.06.19

緑の雲、輝く宝

R0010870

ヒロキの完全オリジナルの絵。
去年のつくしんぼ10周年記念の絵画造形展のためのものです。
ヒロキのバアチャンがとりわけ気に入って、とにかく飾りたいと言ってので、DIYの店から適当な材料を買ってきて、木枠をつくって玄関に飾ったのが去年の秋頃。。。
まさか遺作になるなんて、思ってもいませんでしたし。。。

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2006.06.17

声がききたい。。。

「おとうさん おふろ はいるよ」
「よそのうち はいらない」
「といれにものを ながしては いけませーん」
「きょーのおてんきは はれです」
「なんちゅーぷーる いくー」
「すみれぷーる いくー」
「さくらぎちょー ゆうえんち いくー」
「まくどなるど いい」「らーめん こーらくえん いい」
「カレー もういっぱいおしまい」「スパゲッティー もういっぱいおしまい」
「おそば つゆください」「むぎちゃ ください」「よーぐると ください」
「ごはん ください」「うめぼし ください」「なっとー ください」「のり ください」
「しょーゆ ください」「たらこ ください」「みそ ください」「みつかん ください」
「はみがき する」「おんがく する」「ねんね する」
「おさんぽいっても いいよぉ」

よく考えてみると、ほとんどが要求語のヒロキでした。。。

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2006.06.15

浜松まで行ってきました

昨日、浜松まで行ってきました。
ヒロキが亡くなってから2ヶ月半、遠出ってまったくしてませんでした。
なので気分転換もかねて、浜松まで東名で往復500㎞、車でドライブしてきました。
映画にスポンサー協力したいとおっしゃってくださった方に会いに行ったのです。

やすらぎデンタルクリニックの鈴木真幸先生という若い歯医者さんです。小児歯科、障害者歯科、出張治療もされているとのこと。学生時代に交通事故で生死のぎりぎりのところを経験されている方でした。
石井めぐみさんのところのHPのバナー経由で、ぼくうみHPを覗いてくださったとのことでした。

会いには行ったものの、失礼なことに私はスポンサー協力に関して具体的なことをまだ何も考えていません。おまけに、究極の営業トーク下手……。
「私の映画にスポンサー協力して貰っても、何のメリットも返すことが出来ないと思うんですけど……」なんて、言わなきゃいいことまでついつい喋ってしまってる始末。(; ;)

060614_15230001それでも鈴木先生はお昼の鰻を御馳走してくだったうえに、いろいろ相談にものってくださいました。
「たとえばスポンサー協力を一口100万円でお願いするとして、30人見つかればそれだけで3000万円。全国には自閉症の関係者で社長さんとか大勢いると思うし、スポンサーとしてのメリット抜きで自閉症の映画を応援したいって思ってくれる心ある人、そのぐらいはいるんじゃないかな……」
そう言って貰えて、なんか元気出てきました。
でも、やっぱ、世の中そんなに甘くないかも……。(^^;

帰りはヒロキと、ぐるり浜名湖を一周して帰ってきました。

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2006.06.13

6月12日は・・・

ワールドカップの日本初戦の日、というのが巷の常識なのですが……。
ウチは、実は、18回目の結婚記念日だったのです。

サッカーは観てましたが、結婚記念日の話題は出ない我が家でした。

ウチら夫婦としては、観るのも恥ずかしい品物なのですが……。
ヒロキはなぜか結婚式の日のビデオを観るのが好きでした。

で、観ているヒロキに質問。

「この男の人、だーれ?」
「おとーさん」
「この隣の女の人、だーれ?」
「おにんぎょーさん」

真顔で答えるヒロキに、思いっきり爆笑したっけ。。。

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2006.06.11

「おさんぽいってもいいよぉ~」

「おさんぽいってもいいよぉ~」
この言葉は、ヒロキが散歩に行きたいときに口にする言葉でした。
会話は出来ず、オウム返しが精一杯だったヒロキは、母親が散歩を許可したときに言う「おさんぽいってもいいよぉ~」というフレーズを、そのまま散歩に行きたいときの意思表示の言葉として使っていました。

「おさんぽいってもいいよぉ~…?」とヒロキが質問して……。
「おさんぽいってもいいよぉ~」と母親が返事して……。
それから嬉しそうにニコニコしながら散歩に出かけていくヒロキでした。

もう一度聞きたいです。
ヒロキの声で「おさんぽいってもいいよぉ~」を……。


「自閉症の小説!?」だと、はじめての方に小説&映画の営業用ブログと思われてしまうみたいなので、タイトルを変更してみました。m(__)m

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2006.06.09

NPOになりました

私が代表をつとめるフリースペースつくしんぼが、5月30日付でNPO法人を取得し、特定非営利活動法人はらっぱとして再スタートを切ったことになっています。
といっても、活動自体はなにも変わっていないのですが……。

つくしんぼは、今からちょうど10年前の6月1日に、長男・ヒロキのためにと思ってはじめた私施設です。
スタートから2年後して行政から補助金を貰えるようになっても、無認可である限り、それはあくまで個人が運営する私施設でした。
それが、NPOとなったことで、晴れて公的な団体になったってことになります。

複雑な心境です。
おめでとう、と他人に言われます。
でも正直、私にはおめでたくもなんともありません。
ヒロキがいなくなった今、なんで私がつくしんぼを続けなければならないのか、よくわからないままの状態が続いています。私は私です。私は公なんかじゃないのです。
もちろんつくしんぼをつぶす気はまったくありません。
でも、私がやる必要も、今はもうないような気がしてならないのです。

悲しくなるのは「ヒロキ君がいなくなった分も、他の子のために頑張って」と言われることです。
私は聖人君子じゃありません。自分の子に注いでいた気持ちを他の子のために注ぐなんていう器用なこと、今の私に強要されても困るし、なにより出来る自信がありません。

今はただ、やらなければならない事務仕事だけをするようにして、あとは出来るだけなんにも考えないようにしています。
でないと、つくしんぼを続けていること自体が辛過ぎるのです。

早く元気にならなければ……とも、今は思っていません。
そう思うこと自体を、頭と体が拒否するからです。

とにかく今は、なんにも考えたくないのです。

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2006.06.05

つくつく通信

つくしんぼHPつくつく通信のページに、最新の通信をアップしました。
ささえる会のみなさん等に送付させて頂いてるものです。
長男の追悼特集号にさせて貰っています。
よろしかったら読んでみてください。m(__)m

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