とこやさん

長くなってきた髪の毛が妙にウザくて、今日とこやさんに行きました。
理髪店ではなく、とこやさんです。
ヒロキが「とこやさん」と呼んでいた店なので、とこやさんなのです。

多動で家で切るようにしていたヒロキが、ちゃんとおとなしく座ってくれて、なおかつ「とこやさん」と言って行きたがるようになった店でした。
誰かに「障害児に優しいよ」と教えて貰って通い始めたとこやさんです。
実際、ご主人は、何か気になるものを見つけてはちょこちょこ駆け回るヒロキに対して怒ることはせず、ちょっと厳しい目はするものの、「気をつけてね」と言うだけで許してくれていました。

優しい理由は何回か通っているうちにわかりました。
息子さんが発達ボーダーだったからです。
もう学校は卒業していたのかな、時折お店を手伝っていました。

そんな彼も、何度も落ちたようですが、今はちゃんと理容免許をとり、今日も私を担当してくれました。
ヒロキに優しかったご主人は、数年前に癌で亡くなりました。
その後は奥さんと彼の二人で、店を続けていました。
奥さんが椎間板ヘルニアで入院した時は、彼一人で店を頑張っていました。

ヒロキがいなくなってからも丸10年通い続けてきたとこやさんが、今週で店を閉めるそうです。
彼と奥さんは、他の店で雇って貰うそうです。

ヒロキがとこやさんが好きになった理由は、実はわかっています。
ところさんをおとなしく終了すると、その次に幸楽苑でラーメンが食べられるからです。