既得権
本家の話によると、庄屋だった山下家の土地は広大だったらしい。
自分の土地から出ることなく、湘南の海まで出られたらしい。
嘘のような話だが、本家に残っている古文書に書いてあるらしい。
それだけの土地があっても、明治生まれの祖父と祖母は、土地を貰えなかったらしい。
駆け落ちだったかららしい。
それで、二人は畑仕事をして土地を買ったらしい。
その土地を、長男だった父が家長相続し、さらに私が相続して、今に至っている。
単なる既得権の上に胡座をかいて、私は生活している。
私だけではない。
二世議員も二世社長も二世タレントもみんな既得権の上に存在している。
既得権など利用せずに自分の力で頑張ってきた、と言う人もいる。
でも、それは違うと思う。
結局のところ、頑張って努力出来る能力を既得権として与えられていただけのことだ。
ノーベル賞受賞者も一流スポーツ選手も、才能という既得権の上に成り立つ成果に過ぎない。
頑張ろうとしてもどうにもならない人もいる。
それを、私は長男の障害で知った。
既得権を利用していない人間は存在しない。
人間として生まれてきたこと自体が既得権なのだから。
コメント