予告編

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  • アマゾンでは古本数冊…。


  • ずーっと売ってくれてます。m(__)m

(^o^)v

2022.11.09

アイドリング

40歳代半ばに軽い脳梗塞を患った。
一過性脳虚決発作という疾患だ。
小渕元首相が国会答弁中にぼーっとなって何も喋らなくなった症状のあれだ。
その後、小渕元首相は本格的な脳梗塞で亡くなったが、私は幸いにも生き続けている。
ただそれ以来、暑いと体調を崩すという後遺症を抱えてしまっている。
最高気温20℃が限界点で、それを超えると脳に霧がかかる。
まさしくブレインフォグだ。
夏から秋にかけて体調はとくが最悪だったりする。
でも晩秋になると一気に気温が下がり、復調が始まる。
朝にやって来る不安と震えが次第に消えていく。
で、恐る恐る動き始める。
それをアイドリングと呼んでいる。
11月はアイドリングの季節だ。
干柿作りも畑の芋堀りも、私にとってはアイドリングだ。
安堵の日々を繰り返して、自信を取り戻す。
脳が少しずつ再起動を始める。
寒いのは正直好きではない。
だけど、寒い期間しかまともに動けなくなっしまっている今、一年中が冬でも私は困らない。
11月は、私にとっての正月だ。
短い雑文書きも、私にとってのアイドリングだ。

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2022.08.16

お盆

迎え火は13日の陽が暮れて暗くなってすぐだとか。
道路に面した門の前で行なうとか。
馬用のナスとキュウリは畑で作るものだとか。
ナスとキュウリにはソーメンを乗せるとか。
お皿に使うのは畑で作ったサトイモの葉っぱだとか。
新聞を燃やして周囲を明るくして目印にするとか。
その新聞で線香に火をつけるとか。
「盆さん盆さんこの御馬に乗ってお越しなさい」と節をつけて歌うとか。
盆飾りの時は位牌を外に並べて仏壇は閉めるとか。
飾りの野菜は出来るだけ畑で採れたものにするとか。
送り火は15日の午後11時50分過ぎだとか。
眠くても起きなければならないとか。
父親は決まりがことごとく細かかった。
私は右の耳から左の耳で、どうでもよかった。
ちゃんとお盆をするようになったのは、長男がいなくなってから。
それから母親がいなくなり、うるさかった父親もいなくなった。
よく覚えていないし、面倒臭いので細かいことは省略している。
迎え火と盆飾りと送り火だけしかしない。
それも結局は私のこだわりでしかない。
次男の時代にはもうやらないんだろうな。

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2022.08.03

壁の花・その後

去年の夏、ウクレレを買った。
でも難しくてすぐに挫折。
そのまま「壁の花」と化してしまった。
(去年の「壁の花」の雑文はこちら)
ちゃんと習いたいと思ったものの。
ちゃんとしたスクールはどうにも敷居が高く。
うだうだ、だらだら。
と、年末、新聞折り込みに生徒募集の記事を発見。
場所は飲み屋。
居酒屋? バー?
先生は還暦。店主も還暦。
というわけで、還暦の手習い開始。
壁の花から復帰したウクレレはソプラノ。
手がでかい私には弾きにくい。
すぐにひと回り大きいコンサートが欲しくなった。
だけど自分ではなかなか選べない。
去年の衝動買いで失敗してるし。
うだうだ、だらだら。
と、あちこち見て回っているうちに出会った。
そいつはこっちを見ていた。
店の壁のウクレレがこっちを見ていた。
その目は、ロッキーの目に似ていた。


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2022.07.19

ATM

近所のスーパーの入口の横にATMがある。
Automatic Teller Machineの略らしい。日本語だと現金自動預払機というらしい。
わざわざ銀行に行かなくて済むから便利だ。
最近はネット銀行でも済ませることもできるのだが、通帳に印字してもらった方がやっぱり安心感がある。
買い物がなくても、自転車でスーパーまで行く。
機械が2台しかないので、長い列が出来ていたりもする。
列に並ぶのは嫌いなので、そういうときはスーパーの2階の家電店を歩き回って時間潰しをする。
今日は現金の引出しのついでに通帳記入した。
そした通帳が終わってしまったので、通帳の繰越をした。
約1分程待った後、ATMの機械が喋った。
「通帳は2冊出ます。新しい通帳をお受取りください」と。
言われたとおり、新しい通帳を機械から引き抜くと、ふたたび機械が喋った。
「続けてオジサンの通帳をお返しします」と。
は? オジサン?
オバサンだったらどうするんだ?
そう思った瞬間、オジサンではなくご持参だということに気づいた。

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2022.06.16

津久井教生のこと。

「きょうせい」ではなく、私の記憶では「のりお」が本名だったような。
大学(日大芸術学部放送学科)での同級生でした。英語等の一般教養の授業でよく顔を合わせていた。
いつしか顔を見なくなったように記憶しているのは、本格的に声優を目指すべく中途退学してプロダクションに入ったからみたいだ。
NHKのEテレで長年ニャンちゅうの声を担当している声優。声だけは知名度抜群。

そんな彼から、突然連絡があったのは、ヒロキの事故の直後のこと。
30年近くぶりになるわけで、最初はビックリしました。なんせ相手は芸能人。
私は覚えていたけど、彼が私のことを覚えているなんて思ってもいなかった。
彼は、ぼくうみ映画化に協力したいと言ってくれた。
自閉症の淳一クン役を探していた頃には、候補として声優志望の青年を何人も紹介してくれた。

ぼくうみ映画の中では、ラジオから聞こえるDJ役が彼の声だ。
本当は役者として出演したかったらしいのだが、俳優ではなく声優というのが、私にとっての彼のイメージだったもので。
よく喋る奴で、ほんと口から生まれて来たような奴で、一緒に何かする時、とっても気楽でいられた。
喋りが苦手な私に代わって、私はただただ相槌打ってるだけでイベント進行の全部を勝手にやってくれるゆえ。(^^;

そんな彼がブログとFacebookに体調不良の話を書くようになったのは3年ぐらい前のこと。
「名無しの権兵衛病」と彼は自分の病気を呼んでいた。
私も原因不明の症状で寝込んでばかりいるので、一緒だなあなんて思っていた。
でも全然違った。
どうやら自律神経不安症で、とりあえず死ぬ心配もない私の病状に対し、彼はALS(筋萎縮性側索硬化症)だった。

講談社・FRau・「ALSと生きる」を、掲載当初からずっと読んでいる。
連載は50回に超えている。
転ぶようになり。
歩けなくなり。
動けなくなり。
手も動かなくなり。
もうすぐ呼吸も出来なくなるだろう、と書いている。
気管切開をして声も出なくなるだろう、と書いている。声優なのに。。。

彼の記事を読んでいて、私はかなり影響を受けている。
還暦も過ぎたし、ちゃんと動けるうちにやりたいことやろうって気になってきていて、それでモーターパラグライダーで飛んだりもして。(^^;

Kyousei

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2022.05.31

デジタルフォトフレーム

我が家にはデジタルフォトフレームがふたつある。
画面のサイズはそれぞれ10インチと7インチだ。
大きい方にはヒロキが写っている15年分の全部の写真が入っている。
1990年から2006年までの写真だ。
小さい方にはロッキーが写っている15年分の全部の写真が入っている。
2006年から2021年までの写真だ。
大きい方は居間に置いてあって、タイマーで朝8時から夜10時まで映っている。
ランダム設定になっているので、いつ頃のヒロキの写真が映るかはその時次第だ。
小さい方は玄関に置いてあって、やはりタイマーで朝8時から夜10時まで映っている。
ノーマル設定になっているので、生まれた頃から死ぬまでの写真が順番に映る。
ふたつのフォトフレームを合わせると30年分になる。
どちらのフォトフレームにも脇役のように次男も登場する。
0歳から30歳までの次男が時々映る。
私が死んでも私用のデジタルフォトフレームは増えない。
だって、私は私の写真をまったく撮っていないからだ。

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2022.04.14

かにかま

愛犬ロッキーが15歳でいなくなって、はや7ヶ月。
餌を置いてあった引き戸の奥の白ビニール袋の中から、かにかまが出てきた。
犬猫おやつ。かまぼこにカニ肉をプラス。国産。
封は開いていない。買い置きだったやつだ。
コロコロした餌だけだと飽きてしまっていて食べないので、トッピングとして使っていたやつだ。
400g入りのメガパック。お得だったはずなのだが、返って損してしまった。
1袋で1500円近くする。もったいない。
犬が食べて大丈夫のものは、人間が食べても問題ないはず。
で、検索してみた。
やっぱり人間が食べても問題ないらしい。
人間の食べ物の方がよっぽど毒だ。
で、おそるおそる食べてみた。
不味くはない。
塩味が薄く、うっすら甘く、微妙に美味い。
いや、かなり美味い。
これはいける。
健康あたりめカムカムの空き容器に詰め替えてみたところ、ちょうどいっぱいになった。容器を入れ換えると、人間のおやつのようだ。
柿の種は必要だけど、さきイカはしばらく必要なくなった。

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2022.03.27

みぎちゃんのこと

今は川上さんなのだが、古いつきあいの友人達の間では旧姓の右田が生きていて、彼女のことをみぎちゃんと呼ぶ。
みぎちゃんと出会ったのは、青年学級へ参加した直後。1994年頃だから28年前。
脳性まひだけど、当時は飲み歩きまくっていたっけ。
一番覚えているのは、横浜で飲んで、町田へ戻る電車内でのこと。
みぎちゃんはすっかり泥酔していて、私も酔って、2人してフラフラ。
シルバーシートに座っていると、座席の前に立っていた人が同情したのか1万円をカンパしてくれたっけ。
それを2人で5千円ずつ山分けにしたっけ。
脊椎の手術をした後は歩けなくなって、飲み歩けなくなったけど、酒豪は健在で、酒の安売り店で大量箱買いしたビールの宅配が私の仕事だったっけ。
亭主のカズさんとはパソコン通信での出会い。脳性まひ同士の夫婦となって20年。
いつしか2人の住むマンションが居酒屋代わりになってたっけ。
本日、納棺。
また一人、大切な仲間がいなくなってしまった。

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2022.02.27

17度の壁

スキー場の斜度の話ではない。
気温の話だ。
他人にはおそらくわからないと思うが、私には17度に壁がある。
身体が熱を取り込みたい温度と放出したい温度の境目が17度なのだ。
秋、最高気温が17度を切る頃から、体調がよくなる。
春、最高気温が17度を越える頃から、体調が悪くなる。
他人はいい季節が訪れたと言う。
私は嫌な季節がやって来たと言う。
梅が咲き、桜が咲き、新緑がやって来る。
植物もこれからの季節が好きだ。
でも私は嫌いだ。
倒れるから嫌いだ。
目がショボつき、ボーッ感が来て、鬱が来る。
思考が停止する。
コロナの後遺症のブレーンフォグ。まさしくそれだ。
診断名は、季節性感情障害。
障害者手帳も頂けてしまったが、嬉しくない。悲しい。
畑の柿のくくりつけた温度計は、午後2時現在で18度だ。
もうすぐ今年も終わる。
来年は11月に始まる。
私の一年は半年だ。半分寝太郎だ。
嘆きの壁の崩壊を願っているものの、20年近く繰り返しているので、たぶん死ぬまで無理だと思う。

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2022.01.08

古いビデオ

我が家ではまだVHSのビデオデッキが生きている。
8ミリテープ用のビデオデッキも生きている。
テープが残っていても見られない家が多いらしいが、我が家ではちゃんと見られる。
でも、テープは邪魔だ。場所を取る。
それで、断捨離するべく、時々古いテープをデータ化している。
データ化しておけば、見られなくなることはまずない。
ユーチューブにアップしておけば、なくなってしまうこともまずない。
もっとも、なくなってしまっても別段困らない。
データかする時には、テレビで再生しながらの作業となる。
テープには何も書いていない。見てみないと何が映っているかわからない。
今日のビデオには音楽療法の光景が映っていた。
画面の中では長男が歌ったり、キーボードを引いたり、鉄筋を叩いたりしている。
15年以上昔の映像だ。懐かしい。
懐かしいけど、今はもう泣けない。
いつしか長男のことを思い出しても泣かなくなった。
泣かなくて済むようになるまでに5年ぐらいかかった。
長男のことでは泣けないのに、三男ロッキーは写真を見るだけで泣けてしまう。
まだ半年だからだろうか。

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